公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
真核生物の繊毛・鞭毛は、気管や精子をはじめ、様々な組織・器官に存在している。そのため、繊毛運動の異常は様々な疾患に関わる。本研究課題は、主に気管の繊毛運動に焦点をあて、ナノスケールの蛍光粒子を用い、マウス気管組織の繊毛運動(波形、振幅、周波数)の定量化を行うと同時に、気管内腔組織表面の流体を高精度(7-9nmの空間分解能)で解析する系を確立した。さらに、クライオ電子線トモグラフィー法により繊毛内部の3次元構造を明らかにすることにも成功した。今年度は主に病気や疾患を持ったモデルマウスを作成し、昨年開発した同様の系で解析を行う。このデータを基に健常マウスから得られたデータとの比較を行い、疾患のプロセスを解明しようと考えた。これは、健常マウスの繊毛運動を定量化した数値データを基に、疾患による繊毛運動の破綻のプロセスを数値で導き出す。このことは、将来的に疾患の分子機構解明や病気の診断にも応用できるものと期待している。具体的には、慶応義塾大学との共同研究により、リポ多糖(LPS)をマウス気管に噴霧し、短期間で気管支炎モデルマウスを作成することに成功した。LPS噴霧後3日目のマウスで、繊毛細胞の数が大きく減少することが分かり、さらに、LPS噴霧後7日目の気管支炎マウスでは、繊毛を持った細胞数は回復するものの繊毛の長さが短くなる事が確認された。また、大阪大学との共同研究により、繊毛の構成分子を欠損したノックアウトマウスを作成することに成功し、気管繊毛運動の解析や繊毛内3次元構造解析を行う事に成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Lab on a Chip
巻: 12 号: 21 ページ: 4336-4343
10.1039/c2lc40354d
Nanomedicine : Nanotechnology, Biology, and Medicine
巻: (未定)(In press) 号: 7 ページ: 1081-1087
10.1016/j.nano.2012.01.004
http://souran.aichi-edu.ac.jp/profile/ja.aMjxJpSqPncT7QTNV7XELA==.html