研究領域 | 地殻流体: その実態と沈み込み変動への役割 |
研究課題/領域番号 |
24109701
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡本 敦 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40422092)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2013年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2012年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 蛇紋岩化作用 / シリカ交代作用 / 水熱実験 / 反応帯 / 物質移動 / 間隙水圧 / 反応進行度 / 蛇紋石 / マントル / 熱水変質 / 加水反応 / 反応速度 / モホ |
研究概要 |
地殻物質とマントル物質の境界を模擬して,かんらん石-石英-水系において反応帯の形成実験を行った.実験条件は,250℃,飽和蒸気圧であり,また、反応を促進させるために, pH13.5のNaOH水溶液を用いた.反応物の空間分布を明らかにするために,メインのオートクレーブ内に片側だけが空いた反応チューブを設置し,石英とかんらん石の粉末を設置した.実験時間は最大46日であり,実験後は,X線回折,熱重量測定を行うとともに,走査型電子顕微鏡による薄片の画像解析から各鉱物量と空隙の測定を行った.かんらん石/石英の境界から,系統的な反応物の変化が観察された.境界に近い部分では,スメクタイト+蛇紋石が生成し,境界よりも1cm程度離れた部分では蛇紋石+ブルース石+マグネタイトが形成した.シリカ活量が高い部分では滑石の形成が予想されたが,今回は滑石組成に少しNaが加わったスメクタイトが形成した.反応チューブ外側の溶液のシリカ活量は蛇紋石+ブルーサイトの平衡とほぼ一致しており,わずか1 cm程度で3桁ほどのシリカ活量の勾配が出来ていたことを示唆する.かんらん石の加水反応は時間とともに進行し,もっとも進行していた部分ではおよそ80%のかんらん石が反応している.また、反応管内の含水量は石英との境界において低いことが明らかとされた.より詳細な反応メカニズムを明らかにするために,それぞれの鉱物の生成反応の反応進行度を求めた.その結果,かんらん石の加水反応と,シリカ交代作用による2つの脱水反応が競合して起こっていることが明らかになった.シリカ交代作用は水を吐き出すとともに固体体積が増加する反応であるために,反応帯が進行するに従って,局所的な間隙水圧の上昇がおこる.このようなプロセスは沈み込み帯におけるマントルウェッジとスラブとの境界面においても、ダイナミックな物性変化を起こしえることが予想される.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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