研究領域 | 脳内環境:恒常性維持機構とその破綻 |
研究課題/領域番号 |
24111535
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 英明 熊本大学, その他の研究科, 教授 (90106906)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2013年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2012年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 脳・神経 / 発生・分化 / 神経科学 / 細胞・組織 / 行動学 |
研究実績の概要 |
我々は、Draxinと名付けた軸索ガイダンス分子を発見した。Draxin遺伝子欠損マウスでは、脳梁など前脳の交連神経が欠失し、海馬の細胞死による萎縮が生じる、など中枢神経系に重篤な異常が生じる。海馬の細胞死の要因として、Draxin受容体の一つであるDCCがdependence receptorと総称される受容体の一つであることが想定された。さらに、Draxinの発現は成熟と共に消失するが、一過性脳虚血にすると神経新生が生じる海馬歯状回にDraxinは再発現される。これらの状況証拠から、Draxinはdependence receptorのリガンドとして脳機能に重要な役割を持つ海馬神経細胞の生存促進因子であると考えられる。 2012年度に行った研究の結果、海馬歯状回において、Draxinが生後直後そして成体においても顆粒細胞プロジェニタに対して神経栄養因子として機能し、その生存に寄与していることが明らかになった。これまでにDraxinに結合する受容体分子としてUnc5ファミリー、DCC、Neogeninなどが報告されており、DCCに関しては実際にDraxinによる軸索反撥作用を仲介することが示されている。また海馬歯状回におけるこれらの分子の発現解析を行ったところ、神経新生の場であるsub-granular zoneにおいてNeogeninが発現していた。DCCとNeogeninの2つ分子について、Draxinのdependence receptorとして機能する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Draxinはdependence receptorのリガンドとして機能しているのではないかという研究仮設に相応して、dependence receptorとして知られるDCCとNeogeninが海馬の神経新生の場に発現していたことから、さらに解析を進めることが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進行しているので、計画通りに遂行する。
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