公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
テンソル揺らぎの音速と原始揺らぎの非ガウス性の間の関係を明らかにしました。密度(スカラー)揺らぎの音速とその自己三点相関関数との関係性とは異なり、テンソル揺らぎの音速は、テンソル自己三点相互作用でなく、それ以外の三点相関関数、特にスカラー・テンソル・テンソルの混合三点相関関数と強く関係していることが分かりました。これにより、宇宙背景放射の温度・Bモード・Bモード三点相関関数を検出することにより、テンソル揺らぎの音速が決定できることが期待されます。インフレーション模型を包括的に扱う試みとして、空間の一様等方性に着目して有効理論を考えるというものがあります。つまり、空間の一様等方性と矛盾しないものは揺らぎの相互作用として全て現れても構わない、という考え方です。この考え方に基づいてスカラー場が複数個ある場合の完全に一般的な作用を書き下しました。また、これを用いることにより、軽い場の他にハッブルパラメータと同じくらいの質量を持った場がある時に、密度揺らぎにどのような補正が生じ得るかを一般的に明らかにしました。インフレーションの軌道が急激に曲がる際に、インフレーションを起こす場とは異なった重い場が密度揺らぎにどのような影響を与えるかを明らかにしました。重い場が正準運動項を持つ場合に、この密度揺らぎへの補正を調べ、二点相関関数では軌道が曲がるスケールにピークが出る効果のみが現れる一方、三点相関関数ではその効果に加えて重い場の振動によるパラメータ共鳴の効果も現れることを明らかにしました。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Journal of High Energy Physics
巻: 1306, 051 号: 6 ページ: 0-47
10.1007/jhep06(2013)051
JCAP
巻: 1312 号: 12 ページ: 038-038
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Progress of Theoretical and Experimental Physics
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