公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
哺乳動物のゲノムは高頻度でCpGにDNAメチル化修飾を受けている一方で、一部の例外的なゲノム領域、CpGアイランド (CpG island: CGI)は、一般的にCpGにDNAメチル化修飾を受けていない。興味深いことにCGIは、現在までに注釈のついた遺伝子の約70%の転写開始点前後に存在してプロモーターとしての機能をもっており、遺伝子発現制御において非常に重要な非コードDNA領域であることが明らかになりつつある。CGIのDNA配列をみてみると単にGC含量に富んだ領域であるようにみえるが、転写因子やエピジェネティック修飾因子は巧妙に転写のonとoffを時間的・空間的に使い分けている。しかしながら、その分子機構はほとんど明らかになっていない。本研究課題では、CGIに結合するCXXCドメインをもつタンパク質 (以降CXXCタンパク質) に焦点を当てて、この分子機構の解明に挑戦する。そのなかでもCXXC1に着目して機能解析を行った。CGIは概してヒストンH3K4me3の修飾を受けており、CXXC1はこのH3K4me3の修飾酵素を含むタンパク質複合体を構成している。そのため、CXXC1をノックアウトしたマウスES細胞ではH3K4me3のレベルが減少することが推測された。しかしながら、ChIP-seqによる解析をおこなったところ、H3K4me3が減少する領域が観察された一方で、H3K4me3のレベルが変化しない、あるいは上昇するゲノム領域が観察された。また、遺伝子発現レベルの変化をマイクロアレイにより解析したところ、H3K4me3が上昇する遺伝子は、その発現が上昇する傾向があり、とりわけ転写抑制複合体であるポリコーム群の標的遺伝子であることが明らかとなった。ポリコーム群もCGIにアフィニティーがあることが知られており、CXXC1がポリコーム群の上流で機能していることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell
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Current Opinion in Cell Biology
巻: 25 号: 3 ページ: 305-313
10.1016/j.ceb.2013.02.009