研究領域 | 生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御 |
研究課題/領域番号 |
24116508
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 稔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (80321909)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2013年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2012年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 / サイトカイン / 線維化 / 細胞間相互作用 / 肝線維化 |
研究概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)はアルコールの多飲歴がないにもかかわらず脂肪肝を背景として肝炎を発症する疾患であるが、その重症型であるNASHは慢性肝炎から肝線維化、肝癌へと進行しうる。本研究ではNASH発症におけるIL-6ファミリーサイトカイン、Oncostatin M (OSM)の機能の解析を行なった。OSMは肥満における脂肪組織のマクロファージで産生が亢進しており、Autocrineで作用することでM1からM2への活性化へシフトさせることが明らかとなった。そのため、OSMR KOマウスの脂肪組織ではM1活性化が優位となっており、TNFaなどの炎症性サイトカインの産生亢進を介して耐糖能障害の増悪化が認められた。すなわち、OSMは本来、脂肪組織の炎症に対して抑制的に作用しており、実際、肥満マウスにOSMを投与することにより耐糖能の改善が認められた。さらに、OSMは肝臓に対しても直接的に作用し、脂肪肝の改善にも寄与する可能性を示した。その一方で、OSMをHTVi法で肝臓に持続的に発現させた場合には、肝炎を背景とせずに線維化が進行することを見出していたが、その作用機序として、OSMは肝線維化の原因細胞である肝星細胞に直接作用し、プロテアーゼ阻害分子であるTIMP-1の発現を亢進させることでコラーゲンの蓄積を支持する可能性を示した。一方、肝星細胞のコラーゲン産生については、肝臓を構成する他の細胞群との共培養系により、OSMは少なくともクッパー細胞を介して間接的にコラーゲン産生を誘導していることが明らかとなった。以上の結果から、肥満においてOSMが高発現する状況は、NASH発症の初期段階においては耐糖能障害の改善に寄与しうる一方で、長期的にOSMに暴露される状況は星細胞への直接および間接的作用を介して肝線維化のリスクファクターとなりうることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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