配分額 *注記 |
10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2013年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2012年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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研究概要 |
1. SP-Dの支配下にある炎症性サイトカインの同定とその誘導機構の解明 正常及びKOマウスのアレイ解析によって,KOマウスでは次のような遺伝子の発現量が著増していることが明らかになった:Cytokines, TNF-alpha, IL-1 beta, CXCL9, CXCL16, CCL3, CCL8, CCL9, CCL21, Ctsk, Mmp12, Saa3, and Gpnmb。炎症性サイトカインに関しては定量qPCRによっても確認すると共に,発現の経時変化を追跡した。その結果,サーファクタントの蓄積よりも遅れて炎症性サイトカインが誘導され,主として肺胞マクロファージから分泌されることが分かった。Matrix metalloproteinases (Mmps) に関しては肺気腫との相関も期待されるので,より詳細に発現誘導にいたるシグナル伝達経路を解析したところ,SP-Dの蓄積によってマクロファージ内に多量の活性酸素ROSが生成し,NFkBを介して発現が誘導されていることが明らかになった。従って,膜7回貫通型受容体Ig-Heptaはサーファクタント量を最適化することにより肺におけるガス交換を助けるのみならず,その成分であるSP-Dを介して,マクロファージが起点となる自然炎症の制御もするという2重の役割を果たしていることになり,興味深い結果といえる。 2. メタボローム解析 Ig-Hepta/GPR116ノックアウトマウスの肺胞では,サーファクタントが大過剰に合成されており,代謝系が更新していると考えられる。代謝系のどこにIg-Hepta/GPR116のシグナルが作用しているかを明らかにする手掛かりを得るために,メタボローム解析を行なった。その結果,正常マウスとKOマウスの肺組織では,数個の代謝産物で差があるという今後の展開につながる結果を得た。
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