公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
近年,言語獲得といった高次脳機能を必要とする学習に伴う脳の可塑的変化を明らかにする研究が広がりつつある。しかし,思春期前後は精神発達や学習機序が大きく変化をする時期と長く示唆され,脳構造も大きく変化すると報告されながら,思春期前後を通じた脳機能変化,自己認識などの精神発達変化,それらに伴う学習機序の変化についてはほとんど明らかにされていない。本研究では,思春期前後の各年齢群の参加者による英語音韻学習をする群とその統制群に,学習前後の心理・行動検査および近赤外線分光法を用いた脳機能計測を施行し,機能変化・神経可塑性を検討した。まず,行動検査の結果,年齢に関わらず,一か月程度の音韻学習で学習群は統制群に比べて一定の学習効果が得られることが明らかになった。この結果は思春期を超えても新規言語の音韻獲得は可能であることを示唆した。また,脳機能計測の結果,音韻を司るとされる連合野の下頭頂葉にある縁上回部分で学習に伴う脳の可塑的変化が捉えられた。その傾向は学習の差及び年齢群によって異なり,思春期群は特異的な変化を示した。さらに,これら行動や脳機能計測の結果と自己認識の程度の関係を検討したところ,自己観尺度における個の認識・主張が高い参加者ほど行動検査前後の学習効果が高く,学習後の脳機能計測で縁上回部分の賦活が強いことが確認できた。以上の結果から,音声言語獲得に向けた学習は思春期前後の各群において行動や脳機能変化をもたらすが,思春期群の脳機能変化は特異的である可能性が示唆された。さらに行動や脳機能変化と自己認識の程度に関連があることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Developmental Science
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40016745599
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