公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究課題においては、(サル)がローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンな状況におかれた際、どのような行動選択(意思決定)を行い、その際、大脳基底核にある視床下核ニューロンがどのように活動するかを電気生理学的に記録・解析することを目標とする。申請者が用いる行動課題(眼球運動課題)においては、視覚刺激の色情報に基づいた意思決定をサルは行わねばならない。具体的には、まず中央に四角形が現れ、サルが一定期間固視したあと、左右に二つの視覚刺激が呈示される。一つは緑色の視覚刺激で、研究期間を通して、ローリスク・ローリターンな報酬を予測させる刺激である。もう一つの刺激は、赤色の視覚刺激で、これは絶えずハイリスク・ハイリターンな報酬を予測させる刺激である。遅延期間のあと、固視点が消灯し、それを合図にサルは、左右のいずれかの視覚刺激に急速眼球運動を行わねばならない。ローリスク・ローリターンを示す緑色の刺激を選択した場合、例えば、ある決まった量の報酬を5回に4回の割合で得ることが出来る。一方、ハイリスク・ハイリターンを示す赤色の刺激を選んだ場合は、例えば、5回に1回の割合でしか報酬を得ることが出来ない。ただし、報酬を得ることが出来る試行においては、報酬量が緑色の刺激を選んだ際に得られる報酬量の4倍となる。このような眼球運動課題をサルに課した結果、ハイリスク・ハイリターンを示す刺激に対し、ローリスク・ローリターンとなる刺激をサルは好んで選択した。齧歯類は総じてハイリスク・ハイリターンとなる刺激を好むのに対し、サルはヒトと同様に、ローリスク・ローリターンを好んで選んだことは非常に興味深い結果と考えられる。また、その際に視床下核ニューロンから非常にユニークな関連神経活動が記録された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
クリニカルニューロサイエンス
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生体の科学
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Neuron
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10.1016/j.neuron.2012.09.030