配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2013年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2012年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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研究概要 |
細胞膜に埋め込まれた酵素は,細胞外の生理活性物質や細胞内シグナル伝達タンパク質などさまざまな因子によって活性制御を受けている.本研究は,活性酸素発生を触媒する細胞膜酵素NADPHオキシダーゼを制御する細胞質タンパク質p47phoxの準安定構造の生物学的意義を解明することを目的とした. p47phoxはPX-SH3-SH3-AIRからなるマルチドメインタンパク質であり,活性酸素発生系の休止状態では,PXドメインが分子内マスクされており,細胞膜に移行しないような自己阻害立体構造を形成すると考えられているが,その分子機構は未解明であった. p47phoxPXドメインにランタニド結合タグを付加した試料を調製した.常磁性ランタニドが誘起するPXドメインの偽接触シフト(PCS)から,Δχテンソルを決定した.さらに,Ins(1,3,4)P3がPXドメインに結合したときのPCSを測定した.Ins(1,3,4)P3はPXドメインに対してKd = 0.5mMと比較的弱い相互作用を示すが,Ins(1,3,4)P3のPCSとΔχテンソルを用いてp47phoxPXドメイン-Ins(1,3,4)P3複合体立体構造モデルを構築することができた. さらに,p47phox(全長)にランタニド結合タグを付加した試料を調製し,PCSを測定した.PXドメイン単独の際に決定したΔχテンソルを用いてp47phox(全長)の自己阻害立体構造のモデルを構築することができた.
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