公募研究
学術変革領域研究(A)
本研究は、子の「その人らしさ」の形成における親の生き方の役割を探究するものである。我々がこれまでに行った研究では、親が青年期に体験した友人関係と、子における他者への基本的な信頼感の関連が見出された。子自身の体験ではない対人関係が、他者と関わる上での子の「その人らしさ」の一部を構成している可能性が示唆される。本研究では、父・母・子(親子トリオ)を対象とした脳画像解析により、親の対人関係の経験が子の他者に対する信頼感の形成に関与する過程の解明に取り組む。本研究の知見は、ヒトが社会と自己の不調和に苛まれた際に自己を客観的に理解するための新たな視点を提示し、心理教育の発展に貢献すると期待できる。