公募研究
学術変革領域研究(A)
密度行列ρが分かれば、系のあらゆる物理量の観測確率が分かる。しかし、ρを直接計測することは原理的に不可能であるため、あらゆる物理量の量子期待値をすべて計測して、ρを「復元」する必要がある。これを量子状態トモグラフィーという。その際、各物理量を1回計測しただけでは量子期待値は分からないため、何度も計測を繰り返す必要がある。量子ビット数Nに従って、指数関数的に膨大な作業となるので、N≫1では現実的には実行不可能である。本研究では、スパイラル状の観測基底と量子気体顕微鏡を組み合わせることで、この問題を打開する。この方法を用いると、スケーラブルな量子状態トモグラフィーが実現可能であると期待される。