活性硫黄がフリーラジカルを上方抑制する発見を契機としてフリーラジカル疾患の中でも特に炎症発癌の発癌機構を再定義する必要性が出てきた.申請者は学術変革領域研究(2022-2023年)の採択を受け,活性硫黄の生成が半減しているシステインtRNA合成酵素(CARS2)遺伝子ヘテロ欠損(CARS2+/-)マウスを用いるとほぼ全例で自然退縮した.この退縮には疲弊T細胞の誘導が阻止されているという先行結果を得た.本研究はCARS2+/-マウスにおける炎症発癌が活性硫黄を人為的に増・減させることに呼応して腫瘍が増殖・退縮することを検証し,従来のフリーラジカルによる炎症発癌における活性硫黄の意義を再定義する.
|