| 研究領域 | ジオラマ環境で覚醒する原生知能を定式化する細胞行動力学 |
| 研究課題/領域番号 |
24H01497
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| 研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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| 研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
冨永 貴志 徳島文理大学, 神経科学研究所, 教授 (20344046)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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| キーワード | 原生知能 / 膜電位 / 光計測 / オプトジェネティクス / 膜電位感受性色素 / オールオプティカル / GEVI / ゾウリムシ / 光刺激 / 現生知能 / 電気生理 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ゾウリムシは、膜電位応答、カルシウムを代表とする細胞内信号伝達系の挙動と行動が対応しており、その因果関係が解析できる重要なモデル生物である。本研究では、オプトジェネティクスの手法を導入することで、光を操作して仮想的な障害物を任意のタイミングで制御可能なオールオプティカル・バーチャルジオラマを創出することで、ゾウリムシが従来の生物機械的な理解を超える知能(原生知能)とその仕組を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
ゾウリムシは100年以上にわたり、動物行動のモデル生物として利用されてきた。特に1970年代以降は、「泳ぐ神経細胞」「泳ぐ受容体」として知られ、その行動が膜電位応答やカルシウムをはじめとする細胞内シグナル伝達の挙動によって説明可能な、生物機械モデルとしての重要性を確立した。これらの知見は、ゾウリムシの大きさを活かした二本刺しによる膜電位固定を含む高精度な電気生理学的手法に裏打ちされている。近年では、さらに精密な行動解析により、従来の理解を超えた「知能」ともいえる行動制御の仕組みを持つ可能性が示唆されている。その解明には、自由に操作可能なバーチャルジオラマ環境の構築が不可欠である。申請者は、膜電位イメージング法を用いて海馬を中心とした脳の高次機能を研究しており、前期の公募班ではこの手法をゾウリムシに適用し、膜電位の光読出しが可能であることを実証した。また、コドン変換で遺伝子組込みカルシウムインジケータを発現させることに成功した。本研究では、この結果に基づき哺乳類の系では良く用いられるようになったオプトジェネティクスを導入し、光刺激によって仮想障害物を任意に出現させることで、ゾウリムシの行動を精密に制御・観察可能な「オールオプティカル・バーチャルジオラマ」の創出を目指す。これにより、ゾウリムシが持つ原生知能の存在とその仕組みを明らかにする。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、ゾウリムシに膜電位感受性色素(VSD)を取り込ませることに成功し、独自に構築した光学系を用いて、十分な光量でVSD信号を記録できることを確認した。また、コドンの読み替えを行うことで、遺伝子導入によるカルシウムインジケータの発現にも成功し、こちらについても光計測に必要な十分な蛍光強度が得られることを確認している。これにより、ゾウリムシに対する光計測の技術的基盤は確立されたといえる。しかしながら、これらの蛍光計測結果と膜電位応答との対応関係については、まだ十分に明確にされていない。そこで、光計測と電気生理学的記録を同時に行うことが可能な光学系を新たに構築し、同一個体から両者のデータを同時に取得できることを実証した。現在、この統合型の測定系を用いて、ゾウリムシの行動に対応する膜電位変化と蛍光信号との対応付けを精査している段階である。さらに今後は、この光学系に光刺激機能を組み込むことで、ゾウリムシに対し仮想的な障害物や環境変化を提示し、それに応じた膜電位変化をリアルタイムに記録・解析する「オールオプティカル」計測環境の構築を目指している。
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| 今後の研究の推進方策 |
および遺伝子導入による蛍光インジケータの発現法を基盤として、今後は光計測と電気生理学的記録の同時計測によって得られるデータの対応関係を定量的に検証し、膜電位光計測の信頼性をさらに高める。次に、すでに構築したデジタルミラーデバイスを用いた光刺激装置を統合し、任意のタイミングで仮想的な障害物を提示可能な「バーチャルジオラマ環境」を整備する。この環境下でゾウリムシの行動と膜電位変化を同時に解析し、光による環境制御に対する応答特性を明らかにする。さらに、ゾウリムシの進行方向や刺激回避行動などの運動パラメータと膜電位・細胞内Ca2+変化との時系列的な因果関係を解析するため、行動・蛍光・電気生理データの同時計測・同時解析系を構築する。これにより、従来の生物機械的モデルを超える知能的行動の実体を定量的に捉えることを目指す。将来的には、光遺伝学的改変によって膜電位を外部から操作し、行動を制御することで、ゾウリムシの意思決定過程の機構にも踏み込んだ解析を行いたい。
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