研究開始時の研究の概要 |
20面体準結晶および近似結晶の希土類サイトでは局所的に空間反転対称性が破れており、奇パリティの結晶場が発生する。そこで、本研究では希土類系準結晶・近似結晶における奇パリティ結晶場と活性な多極子を理論的に解明することを目的とする。具体的には、準結晶Au-SM-Ce (SM=Si, Ge, Al, Ga)において(1)Ceの4f状態、5d状態について点電荷モデルに基づいて奇パリティ結晶場を定式化する。(2)結晶場ハミルトニアンを対角化し、結晶場エネルギーと固有状態を求める。(3)結晶場基底状態について、電気双極子などの活性な多極子を分類・同定する。(3)20面体準結晶および近似結晶の多極子構造を解明し、交差相間応答および創発電子物性を開拓する。
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