花成は、栄養成長から生殖成長への切り換えであり、花成ホルモンをコードするFT 遺伝子の発現によって誘導される。FT遺伝子の発現は、従来の恒温条件では夕方に1回のみであり、これを前提とした研究が進められてきた。しかし申請者らは、野外においてFTは朝夕の2回発現し、光と温度変動が重要な環境因子であることを明らかにした。また、朝に発現するFTは夜明けの低温によって決定づけられ、CO-BBX29複合体を中心としたB-boxファミリー因子を介した経路によって制御される可能性を見出した。そこで本研究では、これらの経路の作用機序を解析するとともに、夜明けの低温が開花以外の環境応答を制御する可能性を検証する。
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