配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2014年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2013年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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研究実績の概要 |
新しい有機材料分子として期待されているd-π電子系化合物のπ電子ユニットを、高周期14族元素π電子系で置き換えた、「含高周期14族元素d-π電子系化合物」は、新しいd-π電子系化合物として注目されている。本研究課題では、14族元素の中でもゲルマニウムに注目し、複数のフェロセンユニットあるいはフェロセンの上下をGe=Geで架橋した新しいdーπ電子系を元素ブロックとして捉え、特にGe=Geで架橋された新しい[2]フェロセノファンを目的化合物として設計した。昨年度の成果において、立体保護基として2,4,6-トリイソプロピルフェニル基(Tip基)をゲルマニウム上に導入した系についてGe=Ge架橋[2]フェロセノファンの発生を確認することができた。しかし室温ではTip基が転位してしまいゲルミレンを経由した化合物となってしまうことが分かった。本年度は、転位しないような新しい「かさ高いフェロセニルユニット」をゲルマニウムに導入し、フェロセニルユニットを有するGe=Geπ結合の元素ブロックとしてフェロセニルクロロゲルミレンの合成を行った。 その結果、1-lithio-2,5-bis(3,5-di-t-butylphenyl)をかさ高いフェロセニルユニットとして単離することに成功した。これに対し、ジクロロゲルミレンージオキサン錯体を反応させることにより、対応するフェロセニルジクロロリチオゲルマンの単離に成功した。この化学種は非極性溶媒中フェロセニルクロロゲルミレンとしての反応性を示すことから、Ge=Geπ結合元素ブロックとして機能する化合物で有ることが分かった。
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