配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2014年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2013年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究実績の概要 |
本研究は, 神岡地下1000mで稼働する反電子ニュートリノ観測装置 (カムランド)の近傍超新星爆発に備え得たデータ取得系の強化を目的としている. ベテルギウスなどの近傍天体が超新星爆発を起こした場合は, カムランドでの予想イベント数は1000万程度である. 現況のカムランドデータ取得系には, この膨大なイベントを処理できる機能は無い. 一方で, カムランドは反跳陽子反応により, 超新星爆発からのnu_xを測定できる世界最大の検出器である. そこで我々は, 最低限の情報として反応数の記録システムと反跳陽子を少しでも記録するための間引き機能の開発を行った. 既に反応数の記録システムのためのFPGAロジック開発を終え, 間引き機能も当初計画の今年度中に開発を終える予定である. また, 我々はカムランドにおいて近傍超新星爆発起源の前兆ニュートリノが検出可能であることを見いだした. 前兆ニュートリノは爆発直前 (恒星進化末期)のケイ素燃焼中に対生成で作られる. カムランドでの前兆ニュートリノの予想イベント数は10程度であるが, カムランドの極限的な低バックグランド能力が検出を可能とする. この前兆ニュートリノ観測は, 恒星進化の最終段階の直接的に明らかにする可能性がある. さらに, 我々は前兆ニュートリノを用いた爆発前超新星アラームという概念を提唱した. 既に爆発前超新星アラームのシステムの開発は終了しており, 年度中にいくつかのニュートリノ観測装置や重力波観測装置で情報提供を開始する予定である.
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