配分額 *注記 |
7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2014年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2013年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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研究実績の概要 |
(1)ミリ波サブミリ波望遠鏡の高感度化へ向けた分光方式の基礎開発:ミリ波サブミリ波望遠鏡の感度を向上するために、電波受信系の周波数標準(局部発信器)を変調しながら高頻度で分光データをサンプルする受信システムを開発した。本年度は、国立天文台野辺山45mミリ波望遠鏡に搭載した本受信系による試験観測を実施し、受信系の制御方法を最適化した。また、データ処理ソフトウェアの開発を行い、確率的主成分解析と反復モデリングによる新しい解析アルゴリズムを開拓した(谷口 2015, 東京大学修士論文)。さらに、チリ共和国に設置されている国立天文台アステ・サブミリ波望遠鏡の分光受信系の改修に着手するなど、本研究課題の新分光方式を様々な望遠鏡に設置する基盤を築いた。
(2)サブミリ波カメラの試験・および突発天体の迅速なサブミリ波観測にむけた基盤整備:ガンマ線バースト初期残光の観測に用いるサブミリ波カメラの試験データ評価を行った。本年度は、前年度までに取得した試験観測データの解析・校正方法の確立、およびサブミリ波カメラのデータ処理に必須となる大気水蒸気の測定装置を整備した。また、重力波天体の電磁波観測キャンペーンに参画し、ガンマ線バーストや重力波天体等の突発天体のサブミリ波観測のための基盤を整備した (田村他 2015, ALMA/ASTE/NRO Users Meeting; Morokuma et al. 2016, 投稿中)。
(3)高赤方偏移の大質量星形成の観測的研究:ガンマ線バーストは高赤方偏移の大質量星形成活動と関連が深い。今年度は、大型サブミリ波干渉計アルマによる重力レンズを利用した遠方星形成銀河の詳細解析(Tamura et al. 2015a, PASJ, 67, 72)やガンマ線バースト母銀河の分子ガス観測(Hatsukade et al. 2014, Nature, 510, 247)、アステ望遠鏡で偶然発見された遠方星形成銀河の詳細観測 (Tamura et al. 2015b, ApJ, 808, 121) を実施した。
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