強磁性体/超伝導体接合におけるスピントロニクス

• 研究領域: 対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象
• 研究課題/領域番号: 25103709
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 理工系
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 横山 毅人 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (30578216)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円); 2014年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2013年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 近接効果 / 超伝導

研究実績の概要

近年の強磁性体/超伝導体接合の実験的技術の進歩に伴い、磁性と超伝導が共存する系の研究が飛躍的に進んだ。従来、磁性と超伝導は単に競合するだけととらえられていたが、様々な非自明な現象が予言され、また実験的検証も進んでいる。本研究では強磁性体/超伝導体接合においてスピントロニクスという観点から研究を行った。
申請者は強磁性体/超伝導体接合において強磁性体の磁化が空間的に不均一な場合に、位相の空間勾配を強磁性体に与えた時に生成する超伝導電流の非対角成分を調べた。摂動的な計算により超伝導電流の非対角成分の解析的な表式を得た。印加した位相の空間勾配に垂直な方向に磁化構造に起因した横超伝導電流が流れることが分かった。
また、近年磁気スカーミオンと呼ばれる、磁化の方向が球面を覆い尽くすように（すべての方向を向き）空間的に変化する磁性体が発見され注目を集めている。申請者は磁気スカーミオンを超伝導体で挟んだ系のジョセフソン電流を調べた。磁気スカーミオンの半径、位置、カイラリティにジョセフソン電流が大きく依存することが分かった。特に半径、位置、カイラリティを変化されることにより、ジョセフソン電流の符号が反転する0－π転移が誘起されることが分かった。これは0－π転移の新しいメカニズムである。磁気スカーミオンの半径、位置、カイラリティは実験的に制御可能なことが示されており、申請者の成果によって磁気スカーミオンを用いた超伝導スピントロ二クスの今後の発展が期待される。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Anomalous interference in Aharonov-Bohm rings with two Majorana bound states (2014)
  • 著者名/発表者名: Akiko Ueda and Takehito Yokoyama
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 90 号: 8 ページ: 081405-081405
  • DOI: 10.1103/physrevb.90.081405
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Spin and valley transports in junctions of Dirac fermions (2014)
  • 著者名/発表者名: Takehito Yokoyama
  • 雑誌名: New Journal of Physics 巻: 16 号: 8 ページ: 085005-085005
  • DOI: 10.1088/1367-2630/16/8/085005
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Conductance and Fano factor in normal/ferromagnetic/normal bilayer graphene junction (2014)
  • 著者名/発表者名: Z. Rashidian, F. M. Mojarabian, P. Bayati, G. Rashedi, A. Ueda and T. Yokoyama
  • 雑誌名: Journal of Physics: Condensed Matter 巻: 26 号: 25 ページ: 255302-255302
  • DOI: 10.1088/0953-8984/26/25/255302
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Superconducting proximity effect in silicene: Spin-valley-polarized Andreev reflection, nonlocal transport, and supercurrent (2014)
  • 著者名/発表者名: J. Linder and T. Yokoyama
  • 雑誌名: Phys. Rev. B 巻: 89 号: 2
  • DOI: 10.1103/physrevb.89.020504
  • 査読あり
• [雑誌論文] Giant magnetoresistance in the junction of two ferromagnets on the surface of diffusive to Dological insulators (2014)
  • 著者名/発表者名: Katsuhisa Taguchi, Takehito Yokoyama, and Yukio Tanaka
  • 雑誌名: Physical Review B 巻: 89 号: 8 ページ: 85407-85412
  • DOI: 10.1103/physrevb.89.085407
  • 査読あり
• [雑誌論文] Controllable valley and spin transport in ferromagnetic silicene junctions (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama
  • 雑誌名: Phys. Rev. B 巻: 87 号: 24
  • DOI: 10.1103/physrevb.87.241409
  • 査読あり
• [雑誌論文] Spin diffusion and magnetoresistance in ferromagnet/topological-insulator junctions (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama and Y. Tserkovnyak
  • 雑誌名: Phys. Rev. B 巻: 89 号: 3
  • DOI: 10.1103/physrevb.89.035408
  • 査読あり
• [学会発表] Spintronics with topological insulators (2014)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama
  • 学会等名: Topological Aspects of Quantum Matter
  • 発表場所: Hsinchu, Taiwan
  • 年月日: 2014-12-11
  • 招待講演
• [学会発表] Odd-frequency pairing in F/S junction (2014)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 中部大学
  • 年月日: 2014-09-07
  • 招待講演
• [学会発表] Spin and valley transports in Dirac systems: graphene, topological insulators, and silicene (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama
  • 学会等名: 9th International Workshop on Nanomagnetism and Superconductivity at the Nanoscale (Coma-ruga 2013)
  • 発表場所: Coma-ruga, Spain
  • 招待講演
• [学会発表] Odd frequency pairing in superconducting junctions (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Yokoyama
  • 学会等名: International Workshop for Young Researchers on Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries
  • 発表場所: 沖縄
  • 招待講演
• [学会発表] 強磁性体／トポロジカル絶縁体接合におけるスピン拡散 (2013)
  • 著者名/発表者名: 横山毅人
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学
• [学会発表] 強磁性シリセン接合におけるバレー・スピン輸送 (2013)
  • 著者名/発表者名: 横山毅人
  • 学会等名: 日本物理学会2013年秋季大会
  • 発表場所: 徳島大学