公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究の最終目標は、陽子と中性子の数が極端にアンバランスな不安定原子核の質量を精度測定することである。特に中性子が過剰なエキゾチックな原子核を対象としている。中性子星を理解するためには、原子核の状態方程式EOSが不可欠であり、エキゾチック核の質量はEOSを決定するための鍵となる情報である。しかし、短寿命核の質量測定はこれまで困難であった。そこで我々は、寿命の短いエキゾチック核の質量を精密に測定するための重イオン蓄積リング『稀少RIリング』を発明し、理研RIビームファクトリーに建設した。これにより、これまで測定困難だったエキゾチック核の質量を高精度(Δm/m~10の-6乗)で測定することが可能となる。稀少RIリングはサイクロトロンと組み合わせることで、目的のエキゾチック核を1個ずつ識別でき、たとえ1個でも10の-6乗の精度で質量を決定する仕組みをそなえている。理研のビームタイムに遅れが出ているため、稀少RIリングを用いた実験はH27年度からとなったが、この助成の具体的な目標とするチェレンコフ検出器の開発には成功した。ウランビームから核分裂を利用して中性子過剰なエキゾチック核を生成する場合、多くのバックグラウンド核がビームに混入する。核破砕片分離装置での磁気剛性率とエネルギー損失による分離は十分でない。稀少RIリングへのビーム入射の頻度は100Hz程度であるため、稀少なRIのみ選び出す必要がある。そこで、チェレンコフ光を利用して目的の核の速度を選択し、効率よく稀少RIリングに入射する仕組みを開発した。H25年度に引き続き、放医研にてビーム試験を行い、56Fe 500MeV/uから生成される2次ビームに対してチェレンコフ光による速度選択を行い96%の効率で54Crを選択することに成功した。核破砕片分離装置BigRIPSに導入できる実機も製作済みである。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
Nucl. Instrum. Methods Phys. Res. A
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JPSJ Conf. Proc.
巻: 1