公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では,主に2つの課題に取り組んだ.1つは,高速な列挙アルゴリズムを構築することであり,もう1つは,列挙問題の困難性に対する知見を得ることを目的として遷移問題に取り組むことである.本年度は,置換分解に対して高速な列挙アルゴリズムを設計することに成功した.置換分解は,代数学分野で重要な研究対象であり,計算幾何学分野,理論計算機科学分野などにも出現する.置換分解の置換の個数を k を指定したときに,(1) k個の隣接互換からなる置換分解を列挙するアルゴリズム(同一の置換に対する置換分解になっているとは限らない)と (2) 同一の置換に対応する置換分解のうち,k個の隣接互換からなるものを列挙するアルゴリズムをそれぞれ設計した.とくに,(2) のアルゴリズムは,置換分解を1つあたり定数時間で列挙を行うことができる.理論的にはこれ以上改善できないほど高速なアルゴリズムになっている.遷移問題に関しては,(1) 独立点集合の遷移問題と,(2) グラフ上のソーティング問題に取り組んだ.(1) については,計算複雑度を示すとともに,ある種の制限を加えれば問題を効率的に解けること(FPTアルゴリズムの設計)を示した.(2) については,多項式時間近似アルゴリズムや多項式時間厳密アルゴリズムをいくつかのグラフクラスに対して提案した.既存結果はごく限られたクラスに対してのみの結果しか知られていなかったが,それを大幅に広げる結果を得ることができた.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件)
Theoretical Computer Science
巻: 印刷中
Proceedings of the 9th International Frontiers of Algorithmics, Lecture Notes in Computer Science
130005397935
Proceedings of the 7th International Conference on FUN with Algorithms, Lecture Notes in Computer Science
巻: 8496 ページ: 364-375
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E97.A 号: 6 ページ: 1163-1170
10.1587/transfun.E97.A.1163
130004770844
Proceedings of the 11th Annual Conference on Theory and Applications of Models of Computation (TAMC 2014), Lecture Notes in Computer Science
巻: 8402 ページ: 341-351
120005850323