公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
大きなpKaを示すナノゲルの合成方法を一般化することを目的として、カルボン酸を含有した温度応答性ナノゲルの合成条件とナノゲル内のカルボン酸のpKaの関係を調べた。その結果、収縮時に高いpKaを示すナノゲルを合成する為には、ナノゲル重合時の水溶液のpHをカルボン酸含有モノマーのpKaより低くコントロールする事が重要であることがわかった。これはカルボン酸がプロトン化した状態でナノゲルを合成することで、水素結合によりナノゲル内のプロトンが安定化される“プロトンインプリント”効果が現れるためである。一方、収縮時に低いpKaを示すナノゲルを合成するためには、架橋剤の導入量をできるだけ低く抑え、体積相転移により大きな高分子の構造変化を誘起することが重要であることがわかった。温度応答性の二酸化炭素可逆吸収材を大容量かつ高速の二酸化炭素分離材料として機能させるためには、ゲル膜の膜厚を薄くし、大面積化する必要がある。同時にナノゲル膜全体の温度を高速に変化させるために高い伝熱特性を付与する必要がある。そこで大きな表面積を有し、熱伝導速度が速い金属繊維にナノゲルを塗布した。すると大容量の二酸化炭素を高速に可逆吸収するナノゲル担持ファイバーを作成できることがわかった。液相中での高速物質輸送の為、多孔質樹脂表面にナノゲルを組織化する方法を開発した。ナノゲル担持樹脂がタンパク質のアフィニティー分離材として応用可能である事を見いだした。ナノゲルの高分子密度を制御すると結合定数に影響を与えず、タンパク質の交換速度を加速できる事を明らかにした。さらに、ナノゲル内のアミンのpKaを最適化すると酵素の様に加水分解活性を有するナノゲルを作成できることがわかった。以上のナノゲルの分子認識に関する研究をまとめた論文及び総説等を発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (26件) (うち招待講演 8件) 図書 (2件)
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