公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
金属酸化物をゾル・ゲル反応で調製する場合、前駆体として用いられる金属アルコキシドは通常油溶性であり、前駆体と水溶液は反応時に液/液界面を形成していることになる。そこで、液/液界面の構造や性質を、両親媒性分子の添加や、適切な攪拌力の付与により制御することができれば、特徴的なナノ形態を有する融合マテリアルが得られると考えられる。そこで、本年度は、界面活性剤が形成する分子集合体を構造指向剤として利用し、金属アルコキシドの油相から水相への物質移動を制御することにより、シート・ワイヤー・中空などのナノ形態を有する新規融合マテリアルの調製を試みた。1)イオン液体/油相界面でのゾル・ゲル反応によるシート状・ワイヤー状チタニアの調製昨年度までに、イオン液体に溶解させた水と油溶性チタニア前駆体との反応により、界面活性剤無添加ではシート状、非イオン界面活性剤添加下ではワイヤー状のチタニア粒子の調製に成功している。本年度は、シート状・ワイヤー状チタニアの形成機構について検討を行った。その結果、チタンアルコキシドの加水分解反応により生成するオリゴマーとイオン液体の相互作用により形成されるラメラ状の会合体が、シート状チタニアの生成を誘起することが分かった。さらに界面活性剤存在下では、チタニア表面に吸着した界面活性剤疎水基の疎媒性相互作用によりシートがスクロールされ、ワイヤー状チタニアが形成することが示された。2)ベシクルを構造指向剤としたシリカナノ中空粒子の調製とその応用4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が形成するベシクルを構造指向剤として用い、シリカ前駆体であるTEOSの加水分解・重縮合反応を、pHを塩基性(11.5)から中性(7~8)に段階的に変化させて進行させることにより、水中およびエタノール中での分散安定性に優れる50nm程度のサイズのシリカナノ中空粒子の調製に成功した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 3件) 産業財産権 (1件)
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