公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
[研究の目的] マイクロキャピラリー法により、微小放電プラズマの電気化学的刺激が瞬時にかつ局所的に細胞膜構造を不安定化し、DNAなどの巨大分子を細胞内に導入できる。この過程に最適なプラズマパラメータと細胞保持環境の最適化を行い、細胞やDNAの損傷が少ない高品位な遺伝子導入手法を確立する。 次にマイクロキャピラリー電極により生成された微小プラズマの特性を定量評価し、遺伝子導入効率や細胞生存率との関係づけを試みる。最終的に、プラズマによる遺伝子導入の機序そのものを考察し、臨床応用に向けた知見を蓄積し、高品位なプラズマ遺伝子導入法の実用化を目指す。[実施内容と得られた成果] (1) Wash-Out法による遺伝子導入機序の作用要因の検討:プラズマ照射後に緩衝剤を除去することで、プラズマ照射によって遺伝子が導入されるダイレクト・エフェクトと、照射後に時間かけて遺伝子が導入されるアフター・エフェクトの2つの効果により遺伝子が導入されていることを確認した。また、アフター・エフェクトによる導入率は、全体の導入効率の9/10にあたることが確認された。(2)多種標的細胞へのプラズマ遺伝子導入の確認:9種のヒト細胞と3種の動物細胞を用いた導入実験を実施し、浮遊細胞以外の全ての接着細胞において遺伝子導入が確認された。(3)リポフェクションとのハイブリッド:プラズマ照射後にリポフェクタミンを滴下し、導入効率の試薬濃度依存性を確認した。プラズマ照射の併用により、リポフェクタミンのみと同じ遺伝子導入率の場合と比べて、試薬使用量1/2の削減効果が確認された。(4)プラズマ照射による人工細胞帯電の検証:プラズマ照射した人工細胞を電気泳動させることで検証した。プラスマ照射後の電気泳動により、人工細胞が正極から負極の方向に移動したことから、プラズマ照射により細胞膜が正に帯電していることを確認した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (26件) (うち招待講演 1件)
Journal of Photopolymer Science and Technology
巻: Vol. 27, No. 3 ページ: 399-404
130004687599