配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2014年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2013年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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研究実績の概要 |
放線菌は有用な生理活性を持つ二次代謝産物を数多く生産する事が知られている。その活性の幅は広く、抗菌物質から免疫抑制剤等、多岐にわたる。このような活性の多様さはこれら二次代謝産物の多様性によりもたらされる。そこで本研究では放線菌二次代謝産物の多様性創出機構に関する知見を得る事を目指し、複数の天然物の生合成経路を調べた。まず、非リボソームペプチドであるJBIR-34, -35の生合成経路の解析を行った。JBIR-34, -35の持つ最も興味深い骨格は4位にメチル基を持つオキサゾリン環である。そこで、JBIR-34, -35の生合成遺伝子クラスターを明らかにし、JBIR-34, -35の生合成経路を予測した。この結果と安定同位体の取り込み実験の結果からこのオキサゾリン環はD-アラニンから合成されるα-メチル-L-セリンから生合成される事が示唆された。このα-メチル-L-セリン合成反応はFmoHと名付けた酵素により触媒される事を明らかにした。次にJBIR-70 (streptazone E) の生合成経路の解明を目指した。この化合物はシクロペンタ-[b]-ピリジン環を持つ放線菌由来のアルカロイドである。まず、生産菌のゲノム情報を明らかにする事でJBIR-70の生合成遺伝子クラスターを探索した。その結果、JBIR-70の生合成を担うと思われるポリケタイド合成酵素遺伝子を含むクラスターを見出した。この遺伝子クラスター内に存在する遺伝子を一つずつ破壊した変異株を作り、その菌株の生産物を解析する事でJBIR-70の生合成経路を提唱する事に成功した。また、イソフラノナフトキノン骨格を持つポリケタイドであるJBIR-76の生合成経路の解析も試みた。その結果、この経路においてBaeyer-Villiger酸化酵素が重要な役割を担う事を明らかにした。
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