公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
福島第一原子力発電所(FNPP1)の事故により海洋へ放出された放射性セシウム(134Cs,137Cs)の分布を、最適内挿法を用いて解析した。2011年3月21日―5月31日の間、非常に高い放射能比がFNPP1付近(<東経141.5度)で観測された。50 Bq/m3を超える高い放射能比が、西部北太平洋の北緯40度に沿って、東経165度に分布していた。北太平洋における134Csのインベントリは、15.2±1.6 PBqであると見積もられた。また、東経141.5度以西の沿岸域のインベントリは8.3±1.8 PBqであり、これは北太平洋で見積もられた134Csの約半分がFNPP1沿岸域に存在していたことを示唆している。FNPP1沿岸域における134Cs放射能比は、大規模な直接漏洩が終了した2011年4月6日以降、4.2日の半減期で指数関数的に減少し、2011年5月31日には約2PBqになっていた。しかし、一時的に減少していない時期もあり、その原因として、降水による大気から海洋への沈着(1-2 PBq)が考えられた。134CsはFNPP1事故以前には検出されなかったこと、FNPP1で放出された134Csと137Csの比は1:1であったことを考慮すると、FNPP1事故由来の放射性セシウムは、1950年代後半―1960年代前半に、大規模核実験により北太平洋に降下した137Csの総量を約20%増加させたと推定された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Environmental Science Processes & Impacts
巻: 18 号: 1 ページ: 126-136
10.1039/c5em00324e
Journal of Nuclear Science and Technology
巻: 51(9) 号: 9 ページ: 1059-1063
10.1080/00223131.2014.914451