公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1. Ctm-KO マウス小脳Ca2+ナノドメイン異常の検索 前年度に引き続き、Cav2.1チャネルC末端の細胞質内テールドメイン(ヒトではSCA6遺伝子変異によりコードされる伸長ポリグルタミン鎖が存在する)を欠失するCtm-KO マウスの小脳Ca2+ナノドメイン異常の検索を主にプロテオミクスの手法を用いてすすめた。その結果、CtmKOマウス小脳においてRimbpとCav2.1の相互作用の減弱に加えて、GABAB受容体とCav2.1の相互作用が亢進していることが明らかとなった。C末端細胞質内テールドメインを有するMPI型チャネルは複数のシナプス機能分子との相互作用に重要であると考えられた。2. Ctm-KO マウスの電気生理学的解析 Ctm-KOマウスで認められた小脳失調についてその生理的基盤を明らかにするため、変異マウス小脳プルキンエ細胞(PC)及び深部小脳核細胞(DCN)の発火パターンを覚醒したマウスからin vivoで記録して、解析を行なった。その結果発火頻度にはCtm-KOマウスとコントロールマウスのPC及びDCNで明らかな違いは認められなかったが、不規則な発火リズムを示すPC及びDCNがCtm-KOマウスにおいてのみ認められた。これらの結果から、Cav2.1C末端細胞質内テールドメインを介するCav2.1チャネルとシナプス機能分子の相互作用がPCの規則的な発火パターン及びその出力系であるDCNの発火パターン維持に必要で、その乱れが小脳失調の原因となることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neurology and Clinical Neuroscience
巻: 3 号: 1 ページ: 14-17
10.1111/ncn3.137