公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
今年度の実績は、以下の通りである。(1)CD16およびCD56に対する抗体を用いて、マーモセット胎盤中にCD4/CD8 T細胞に加えてCD16/CD56 double-positiveのuNK細胞の存在を確認した。ヒトと比較してマーモセットCD8T細胞の比率が高くuNK細胞の比率は低い事が示された。 (2)マーモセット胎盤においては、ヒトと同様、妊娠後期において脱落膜にアポトーシスが誘導されていることをTUNEL法を用いた組織化学染色で明らかにした。 (2)GFPマーモセット胚を野生型マーモセット母体に移植して得られた妊娠後期のGFPマーモセット新鮮胎盤中のトロフォブラストと野生型母体胎盤血リンパ球をGFPの発現の有無およびTrkB, CD3, CD4, CD8の発現を指標にセルソーターで精製し、共培養系を確立した。トロフォブラストとCD4T細胞あるいはCD8T細胞の共培養を行ったところ、上皮間葉転換に関連するTrkB分子のアイソフォームの発現が変化する事が示された。(3)重度免疫不全マウスであるNOGマウスにヒト末梢血単核球を移入し、ヒト免疫系を再構築した後、交配して得た妊娠ヒト化マウスについて、胎盤および末梢血中のヒト血液細胞を解析し、これらのマウスにおいてCD8T細胞が胎盤に集積する一方で、末梢ではCD4T細胞の割合が非妊娠ヒト化マウスと比較して高くなる事を明らかにした。以上の結果から、GFPマーモセットおよびヒト化マウスはヒト妊娠免疫を模倣する優れたツールに成る事が示唆された。また、新たな系である為に最終的に相互作用による免疫学的変化について新たな知見を得る点まで到達できなかったが、方法論はある程度確立できたと考える。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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