公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
一次繊毛は多くの動物細胞の表面に形成される微小管を軸糸とした突起構造であり、細胞外の化学的・機械的刺激を受容するアンテナとしての機能を有する。一次繊毛形成は個体の発生や恒常性の維持に重要な役割を担っており、その異常は嚢胞腎・網膜色素変性症・内臓逆位など繊毛病と呼ばれる疾患を引き起こす。一般に、一次繊毛形成は細胞休止期に起こり分裂期では抑制されているが、増殖抑制シグナル依存的な一次繊毛形成の機構は不明である。中心体タンパク質であるCP110は分裂期には中心体遠位に局在し繊毛形成を阻害しているが、増殖抑制時には母中心小体から解離するため、CP110の母中心小体からの解離は一次繊毛形成における必須の初期過程である。TTBK2は増殖抑制期依存的に母中心小体にリクルートされ、一次繊毛形成に必須の役割を担っているが、TTBK2の母中心小体局在化機構や一次繊毛形成促進の分子機構は不明である。本研究において、私たちは一次繊毛形成時におけるTTBK2の機能解析を行った。TTBK2の母中心小体への局在化機構を解析し、母中心小体タンパク質であるCep164との結合がTTBK2のリクルートに必須であることを明らかにした。TTBK2におけるCep164結合領域として、C末端側のプロリンリッチ領域を同定し、この領域を除いたTTBK2変異体では中心体への局在が損なわれることを見出した。また、TTBK2の発現抑制によるCP110解離の阻害や繊毛形成の阻害効果が、野生型TTBK2の発現では回復するが、Cep164に結合できない変異体の発現では回復しないことを見出した。以上の結果から、Cep164を介したTTBK2の母中心小体への局在は、CP110の解離と一次繊毛形成に必須であることを解明した。また、in vitroキーゼアッセイによりTTBK2の基質を探索し、Cep164とCep97を同定した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (12件) 備考 (2件)
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http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/mizuno_lab/