公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究課題では、シリア・中心体形成や極性形成に関与するキナーゼについてリン酸化プロテオミクスを基盤とした基質スクリーニングとその機能解析を行うことで、下流のリン酸化シグナルおよび細胞の非対称性を担保する分子基盤を明らかにすることを目指している。平成26年度には、申請者らが開発したスクリーニング法を用いて中心体系や極性関連キナーゼであるAurora-A、Aurora-B、LKB1、MARK1の基質のスクリーニングを行った。その結果、Aurora-Aについて233個、Aurora-Bについて246個、LKB1について52個、MARK1について45個の基質候補蛋白質を得た。Aurora-A、Bについては、多数のRNA関連蛋白質(スプライシング・輸送等)が得られた。また、リン酸化モチーフを認識する14-3-3やWWドメイン、FHAドメインを用いて、細胞内のリン酸化蛋白質を効率良く解析する系の開発を行った。これらのドメインはいずれもリン酸化蛋白質を効率良く濃縮し、結合蛋白質を質量分析で解析したところ、それぞれ異なるサブセットのリン酸化蛋白質をターゲットとしており、これらを併用することで網羅性が向上することが示された。Arl3、Arl6およびArl13bはシリア形成制御に重要な役割を果たす。Arl13bは繊毛病の一種であるジュベール(Joubert)症候群の原因遺伝子とされている。これら蛋白質の相互作用蛋白質の探索を行った結果、恒常活性型Arl3(Q71L)相互作用蛋白質としてUNC119B、PDE6Dが得られたが、これらはArl3と共にシリア形成に関与することが既に報告されている。Joubert症候群患者においてはArl13b-R79QやR200C変異が報告されているが、R200C変異体特異的に結合が低下する蛋白質として、PLCD3、GPN3、AGK、SLC25A3などが得られた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
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