公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
高等植物の細胞間コミュニケーションでは、「細胞外に分泌されるリガンドが受容体によって受容される」制御が重要だが、数多くのシグナル情報を秩序立てて処理する仕組みの解明は遅れている。本研究では、様々な形態制御に関わる受容体ファミリー、ERECTA(ER)ファミリーに着目する。ERファミリーのリガンドはこれまでに5つが同定され、全てEPFL分泌ペプチドファミリーに属す。このファミリーにはさらに6つの機能未知因子が含まれ、ERファミリーに作用しうる。そこでEPFL・ERファミリーの各メンバーが未知の制御でもリガンド・受容体ペアとして働く可能性を追求する。また、各々のリガンドは別の現象のために分泌され混在し、どのリガンドがどの現象を制御すべきか受容体には区別できない事態に見えるが、受容体はそれぞれのリガンド刺激に応じた現象の制御を区別して行う。そこで、この仕組みに関わる新たな知見の獲得も目指している。今年度はまず、葉の形態制御に関しては、EPFLファミリーのメンバーの一つがERファミリーとともに新しいリガンド・受容体ペアとして働くことを遺伝学的・生化学的に明らかとした。各々の発現部位の解析と部位特異的プロモーターによる発現実験から、このEPFLファミリーメンバーは鋸歯の周辺部で、ERファミリーは鋸歯の先端で機能することが重要であることが分かった。これは、過去に想定されていない細胞間における新しい細胞間コミュニケーションを提唱することにつながる。また、鋸歯の成長においては鋸歯先端部でのオーキシン反応の活性化が重要であることが以前より知られているが、このEPFLファミリーメンバーとERファミリーはこのオーキシン反応性の制御に関わっていた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 2件)
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