公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
病原菌感染に対する細胞壁における防御機構としてのカロース蓄積に着目し、キチン認識を介したカロース蓄積の制御機構を明らかにすることを目的として検討を進めた。キチン受容体直下でカロース蓄積を制御している因子として、前年度に見出した細胞質型受容体様キナーゼPBL27の機能解析を、近畿大学・川崎グループとのプロジェクト内共同研究として進め、論文として発表した。また、感染時におけるカロース蓄積は細胞表層の特定の部位において起こることに着目し、この過程に関わる膜輸送系の解析を進めた。こうした解析を進めるため、エリシター処理によって誘導されるカロース応答の定量化について検討した。画像解析プログラムの一つであるRotational Morphological Processing (RPM)を利用し、RPMを複数回繰り返すことによって、さまざまなバックグラウンドからカローススポットを抽出し、定量するプログラムを開発した(論文投稿準備中)。この手法を利用し、プロジェクト内共同研究として、東大・上田グループから提供されたさまざまな膜輸送系変異体のキチン誘導性カロース蓄積を調べた結果、カロース蓄積が顕著に低下した変異体やカロース蓄積が亢進する変異体をそれぞれ複数見出した。これらのうち、カロース蓄積が低下したものはキチンによる局所的カロース蓄積誘導過程に重要な役割を果たしている可能性があるため、今後さらに詳細な解析を進める予定である。一方、カロース蓄積が亢進する変異体の中には植物体の表面に穴が開くなどの症状がみられるものもあり、一種の傷害応答によってカロース応答が亢進しているものも存在することが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (22件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)
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