公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
①シロイヌナズナ胚軸脱分化過程で発現変動する細胞壁関連因子の逆遺伝学的解析先行研究として行った脱分化初期過程におけるタイリングアレイ解析から、脱分化初期における発現変動が検出された19の細胞壁関連遺伝子について、T-DNA挿入体を用いた逆遺伝学的解析を行った。これらのT-DNA挿入体を材料とした組織培養実験の結果、pll(pectate lyase-like)変異体とexpa変異体においてカルス形成異常が確認された。また、定量的RT-PCRで詳細な発現パターン解析を行ったところ、確かにこれらの細胞壁関連遺伝子が脱分化誘導後発現誘導されること、その誘導のタイミングは細胞分裂の再開に先立つことが示された。上記のカルス形成異常を示した変異体の中でも、もっともはっきりとしたカルス成長阻害を示したpll変異体について詳細な経時的観察を行ったところ、胚軸脱分化自体は変異体でも起こっており、カルス形成は開始されるものの、カルスの成長が阻害されることが分かった。さらにテクノビット切片観察による組織学的解析によって、pll変異体の初期カルスにおける細胞形態異常が観察された。以上の結果から、活発な細胞分裂時の細胞壁構築にはPLL機能、すなわちペクチン主鎖切断の活性がとくに重要であり、PLL機能不全は細胞形態異常を引き起こしカルス形成阻害をもたらすことが示唆された。②細胞壁再構築を中心とした胚軸脱分化時の遺伝子発現制御システムの解明支援班連携のもと、胚軸脱分化過程のRNA-seq解析を行い、細胞壁関連因子に関する質の高いゲノムワイドトランスクリプトームデータを取得することに成功した。これによって、①で既に発現変動情報を得ていた19遺伝子以外にも、多数の細胞壁関連遺伝子(CAZymeなど)の発現パターンが変動していることを明らかにした。さらにこうした動きと関連した発現パターンを示す転写因子を複数見出すことに成功した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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