公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本年度は、脳の微細組織構築の異常を持つ動物モデルとして、胎児期の代表的な環境要因である胎児(脳)虚血によってもたらされる脳の微細な組織構築異常を伴うマウス、および、子宮内胎児電気穿孔法を用いて脳の部位特異的に異所性皮質を誘導し、組織構築の異常を人為的に生じたマウスを用いて、微細組織構築の異常がどのように病態に関与するのか、その病態メカニズムの解明を行った。特に、異所性皮質を誘導し、組織構築の異常を人為的に生じたマウスの解析においては、人工受容体等の神経活動操作システムを組み合わせ、正常に発生した脳と発生過程における破綻が生じた脳の活動を時期特異的に操作して、それぞれが動物行動に与える影響について解析する試みを開始した。実際には、子宮内胎児電気穿孔法を用いて、発生段階のマウスの大脳皮質および異所性皮質に、人工受容体を発現するプラスミドをあらかじめ導入した。マウスが成体となったのち、行動実験を行う時期に、本来は脳内で不活性であるCNO等の化合物を投与してその際の動物行動の解析を行った。このための人工受容体を発現するためのプラスミド作成やCNO投与方法の検討を行い、至適条件を明らかにした。また、脳の微細組織構築の障害を持つことがすでに知られている遺伝子改変マウス(ApoER2 KOマウス、VLDLR KOマウス)について、特異的にそれぞれの受容体(ApoER2、VLDLR)を認識する抗体を作成して、遺伝子改変マウスを用いて抗体の特異性を確認したのち、それぞれの受容体の発現分布を明らかにして報告した。また、脳の微細組織構築の障害を持つ可能性が示唆されている遺伝子改変マウスである、リーリンC末欠損マウスについて、その詳細な組織構築の解明を行って報告した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 5件)
The Journal of Neuroscience
巻: 35(11) 号: 11 ページ: 4776-4787
10.1523/jneurosci.4119-14.2015
Hum. Mol. Genet.
巻: 24 号: 6 ページ: 1630-1645
10.1093/hmg/ddu576
J. Comp. Neurol
巻: 523(3) 号: 3 ページ: 463-78
10.1002/cne.23691
Neurosci. Res.
巻: (14)00115-1 ページ: 50-58
10.1016/j.neures.2014.06.004
J. Neurosci.
巻: 34(4) 号: 4 ページ: 1115-1126
10.1523/jneurosci.2254-13.2014
Genes to Cells
巻: in press 号: 5 ページ: 410-424
10.1111/gtc.12045