公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
これまでに申請者は,リン酸基を特異的に捕捉する亜鉛錯体(フォスタグ)をクロマト単体であるアガロースビーズに固定化させた分離剤を開発している。しかしながらこの分離剤は,迅速性と簡便性の点で課題を残していた。本研究では,迅速性や簡便性において特に優れたマグネット技術とフォスタグ技術を融合させることで従来の課題を解決する。当該年度では,前年度に合成した新規リン酸親和性磁気ビーズを利用することにより,分析ターゲットの絞り込みがなされ,リン酸化プロテオーム解析がいっそう容易,かつ,迅速になることを想定しながら以下の検討項目を実施した。1)リン酸化プロテオーム解析を行うための緩衝液系の決定:リン酸親和性磁気ビーズに亜鉛を十分に結合させる平衡緩衝液として,0.1 M 酢酸亜鉛を含む 0.1 M Bis-Tris-AcOH (pH 7)を使用した。サンプルを結合させ,洗浄する緩衝液として,0.1 M 酢酸ナトリウムを含む 0.1 M Bis-Tris-AcOH (pH 7)を使用した。サンプルを溶出させる緩衝液として,0.1 M ピロリン酸ナトリウム-AcOH(pH 7)を使用した。2)リン酸化プロテオーム解析の実行:OVISE 細胞のショットガンペプチドを上記の緩衝液系を利用して精製,濃縮を行った。精製濃縮されたペプチド 3.75 μg を質量分析により測定した結果,同定ペプチド数(850以上),並びに同定リン酸化率(90%以上)ともに従来のフォスタグアガローズビーズ法と比較してほぼ同様であることがわかった。さらには,その作業工程に関して,従来法よりも最大で60分以上短縮できることが明らかとなった。以上のことより,新規リン酸親和性磁気ビーズを用いた本手法が,従来法より迅速性や簡便性において優れていることが証明でき,リン酸化プロテオーム解析にも十分に応用できることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (27件) (うち招待講演 7件) 備考 (4件)
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