公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
花粉のバイオミメティクスについての研究は主に次の二つに大別される。①花粉の分析:合計12種類の花粉の耐久性や蛍光の特徴を分析した。種類によって花粉は300~400℃まで形状を保持することがわかった。花粉に紫外線、可視光の光を照射すると、強い蛍光を発光することもわかった。蛍光性は加熱すると減少するが、300~350℃までは蛍光性が観察できた。さらに、分析からわかったことは、花粉の外壁材料(スポロポレニンという化合物、分子構造はまだ不明)は熱に強く、含まれる蛍光物質も非常に耐久性があるということである。しかし、超高水圧のウェットジェットミルの噴射の条件を制御すること(水圧、噴射時間)で、花粉の外壁を破ることが可能になることがわかった。②花粉と構造の似た高分子微粒子の作製:ポリスチレンとポリメチルメタクリル酸の有機溶媒と水を用いて乳化状態を作り出し、基盤に塗布し、ポリマーブレンドの混合粒子を作製した。使用する乳化剤(ポリビニルアルコール、キトサン、グアルガムなど)によって微粒子の相分離構造が違ってくる。「ヤヌス粒子」(それぞれ高分子の相は半球)、「ラズベリー粒子」(高分子粒子の表面に小さい相分離構造がある)などのモルフォロジーの作製に成功した。粒子の平均直径は高分子濃度で制御できることもわかった。エンプラのポリスルフォンを用いたポリスチレンブレンド粒子やポリメチルメタクリル酸粒子と非常に微小なラズベリー粒子が作製できることがわかった。非常に微小な表面構造になる理由はポリスルフォンの表面エネルギーが小さいことによると考えられる。さらに、乳化状態の水溶液に独自に合成した無機材料(単分子シリカ粒子、金のナノコロイド)と既成の無機材料(酸化チタン結晶)を分散し、高分子微粒子の表面に無機材料を吸着させることにも成功した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 5件)
Phys. Chem. Chem. Phys.
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