公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
「酸性環境下で機能する蛍光タンパク質の大腸菌によるスクリーニング」:ペリプラズム領域に発現させた蛍光タンパク質は、細胞質内に発現させたものより外液のpH環境に敏感に反応し(殆ど外部のpHと同じになる)、このスクリーニング系で蛍光タンパク質のスクリーニングを行っていった。シロイヌナズナphot2-LOV2のC426A(C/A)のペリプラズム発現について同様に行ったが、ペリプラズム発現のC/AはFMNを結合していない可能性が示唆されたため、培養液にFMNやリボフラビンを加えることでペリプラズムでのホロタンパク質の発現を目指した。しかしながら、GFP、LOVの両方について、蛍光励起・発光スペクトル、酸性条件に対する挙動など、野生型と明らかに異なる蛍光特性を示す変異体の単離には至らなかった。「LOVドメインのシステイン残基の位置のアミノ酸がFMNの光還元反応に及ぼす影響」:LOVドメインのシステイン残基の位置のアミノ酸がFMNの反応を決定していることから、この位置のアミノ酸をアラニン以外に変え、その影響を調べた。シロイヌナズナphot2-LOV2のC426DとC426K変異体はFMNが結合しなかったが、C426N(C/N)、C426G(C/G)、C426S(C/S)変異体にはFMNが結合した。これらの変異体は全てC/A変異体と同じく還元剤非存在下で光還元反応(FMNH•の生成)を示すことが分かった。一方、光還元の効率はアミノ酸によって違いを示し、アラニンが最も還元されやすく、次いでセリン、アスパラギン、グリシンの順で還元されにくいことが分かった。この結果は、C/AではなくC/NやC/G変異体にするとより退色の少ない蛍光タンパク質の作成が出来る可能性を示している。また、フォトトロピンの機能を完全に消失させるためにも、C/NやC/Gにする方がいいかもしれない。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
Journal of the American Chemical Society
巻: 136 号: 9 ページ: 3475-3482
10.1021/ja410836g
Biochemistry
巻: 53 号: 37 ページ: 5864-5875
10.1021/bi500638b
http://researcher.nitech.ac.jp/html/100000171_ja.html