公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1.「グルタチオン化が制御するSA及びJAスイッチング機構」:SAシグナル活性化時に、細胞内タンパク質が過剰にグルタチオン化されることを見出した。SAシグナル伝達系の鍵転写補助因子であるNPR1は、この細胞内グルタチオン化タンパク質とシステイン残基を介して相互作用し、自身が多量体化することを見出した。これはNPR1の活性化に必須の分子機構であり、即ちSAによる免疫機構活性化の本質は、細胞内レドックス状態の持続的な変位を認識することにあると言える。一方で、JA応答時にはNPR1過剰発現体においても多量体化は生じず、SAシグナルは抑制される。私達はこの原因遺伝子としてJA応答性の新奇グルタチオン分解酵素を同定した。同酵素の多重変異体及ではJAのSAシグナルに対する拮抗性は失われた。同多重変異体では細胞内グルタチオン化レベルが極めて強く亢進し、SAシグナルが顕著に誘導されることも同時に見出した。2.「NPR1及びJAシグナル制御因子JAZによる発現調節機構」:NPR1はレドックス応答性の転写補助因子であるが、その標的転写因子は殆ど明らかになっていない。SAシグナル活性化時にNPR1はWRKY転写因子群、特にSAシグナルのリプレッサーとして機能するグループのみと相互作用することを明らかにした。さらに、NPR1はJAシグナル応答性MYC2やそのホモログ、またERF1等と相互作用し、JAシグナルを抑制することを明らかにした。興味深いことに、JAのリプレッサーであるJAZタンパク質は、NPR1が相互作用する転写因子群を標的とすることを見出した。生化学的解析及び各種変異体や組換え植物を用いた遺伝学的解析から、JAZタンパク質はSA依存的遺伝子発現において、NPR1と共に機能する正の制御因子であることを明らかにした
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (22件) (うち招待講演 1件)
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