公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
以下に列挙する各研究を推進するため、白鳳丸等を用いた観測航海に参加し、試料を採取した。また比較用に、湖沼系である琵琶湖でも同様の試料採取を行った。(1)表面混合層中および混合層直下の亜表層水中の溶存酸素の三酸素同位体組成を定量し、これを使って観測海域毎の総一次生産速度を定量する。(2)海水中の溶存硝酸の三酸素同位体組成を定量し、大気沈着由来の硝酸の混合比のカラム積算値と各海域における大気硝酸の沈着フラックスの分布から、各海域の新生産速度や有機態窒素からの再生速度(硝化速度)を定量する。(3)従来から行われている粒子状有機窒素への15N移行速度に基づく窒素固定速度の観測(15N-PON法)に加えて、溶存有機窒素への15N移行速度に基づく窒素固定速度の観測(15N-TDN法)を同時に実現し、各海域における総窒素固定速度を定量する。得られた溶存硝酸の三酸素同位体組成の鉛直分布から、西部北太平洋亜寒帯海域における有光層内の全溶存硝酸イオン中に占める大気沈着由来の硝酸イオンの混合比を求めた所、少ない海域でも0.6 %程度、多い海域だと1.1 %程度であることが明らかになった。また同海域における大気からの平均的な硝酸沈着速度を、観測した各点における大気沈着由来の硝酸の供給速度とすると、得られた大気沈着由来の硝酸イオンの混合比から、有光層に対する全硝酸イオン供給速度(=新生産速度)が0.9から1.3 (mmol m-2 d-1)程度であることが明らかになった。また同様の手法を他の海域に応用し、日本海では3.2 (mmol m-2 d-1)程度、琵琶湖では3.3 (mmol m-2 day-1)程度であることが明らかになった。成果を国内の学会で発表するとともに、欧文誌に投稿した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件)
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