公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
GPIアンカー型蛋白質は脂質修飾蛋白質の一種で、可溶性蛋白質が糖脂質であるGPIに繋留(アンカー)されるためにこのように呼ばれている。p24ファミリー複合体は、酵母からヒトまで保存された四種類のI型膜貫通蛋白質から構成される蛋白質複合体で、小胞体-ゴルジ体内腔に豊富に存在する。p24ファミリー複合体は、GPIアンカー型蛋白質などの脂質修飾蛋白質に対する特異的な積み荷受容体として、小胞体からゴルジ体への細胞内輸送を担っているが、構造生物学的研究は皆無であり、その全体構造や輸送メカニズムに関する原子レベルの知見は一切得られていない。p24ファミリーはp24alpha, p24beta, p24delta, p24gammaの四種類のサブファミリーから構成され、これらがヘテロ四量体を形成していると考えられている。本研究はp24ファミリー複合体の分子としての実体を解明することを目的としている。p24ファミリー蛋白質は内腔側に共通のGolgi dynamics (GOLD)ドメインを持つ。まず我々は、GOLDドメインのX線結晶構造解析に取り組んだ。そしてp24beta及びp24deltaの結晶構造を得ることができた。また四種類のサブファミリー中のGOLDドメインが複合体形成に及ぼす影響を調べるため、表面プラズモン共鳴法を用いた網羅的な相互作用解析を行い、サブファミリーに依存した相互作用を検出することに成功した。さらに詳細な相互作用部位を特定するために安定同位体標識したGOLDドメインと未標識のGOLDドメインを用いた滴定実験を行い、相互作用部位を決定することができた。現在は、複合体形成が生物活性に与える影響を検討中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
Nat Struct Mol Biol.
巻: 22 号: 3 ページ: 199-206
10.1038/nsmb.2954
Structure
巻: 22 号: 12 ページ: 1711-1722
10.1016/j.str.2014.09.009
J. Biochem.
巻: 157(4) 号: 4 ページ: 211-216
10.1093/jb/mvu071
Glycobiology
巻: 24(8) 号: 8 ページ: 693-702
10.1093/glycob/cwu033
J Biol Chem.
巻: 289 号: 24 ページ: 16835-16843
10.1074/jbc.m114.568311
The Journal of Biological Chemistry
巻: in press