公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
グルカゴン遺伝子欠損モデル動物(GCGKO:グルカゴン-GFPノックインマウスのホモ接合体)においては、GFP陽性α細胞過形成にともなって膵島への神経分布が乏しく、血管の形態にも異常がみとめられることが明らかとなった。GFP陽性α細胞過形成が液性因子に促進されているのか、神経性のシグナルにより促進されているかを明らかとするために、GCGKOから単離したGFP陽性細胞塊をGCGKOおよび対照群の腎臓被膜下に移植する実験を行った。4週間後に移植された臓器を解析した結果、GCGKOにおいてはGFP陽性細胞の増殖が認められた一方で、対照群に移植された細胞の増殖はほとんどみとめられなかった。以上の結果から、α細胞の増殖は液性因子により制御されていることが強く示唆された。また肝臓特異的にグルカゴン受容体を欠損する動物においてもα細胞の過形成が生じるという海外からの報告を合わせると、この液性因子は肝臓に由来すると考えられた。成獣GCGKO肝臓において特異的に増加/減少する因子を、α細胞増殖促進因子/抑制因子の候補として、出生直後から生後一週間の時期の肝臓における遺伝子発現を解析した。また、この時期におけるα細胞増殖・血管・神経のワイヤリングを解析した。ワイヤリング解析においてはCUBIC法による組織透明化とWhole-mount免疫組織化学法を組み合わせることが、膵島形成過程における血管・神経ワイヤリングの三次元的理解に極めて有用であることが明らかとなった。一方、出生前後の肝臓での遺伝子発現は、成獣肝臓におけるパターンと、大きく異なり、成獣においてGCGKOと対照群の間で発現に大きな差を示した遺伝子の多くでは、その差は小さくなっていた。今後、α細胞増殖制御因子の探索を進めるにあたって、発達期と成獣ではα細胞の増殖制御機構が異なる可能性を踏まえる必要があると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 8件)
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