公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は大脳皮質領野間回路の形成機構を明らかにするため、特に胎生期大脳皮質サブプレート(SP)に存在して異なる領野間を結ぶ長連合ニューロンを標識・操作する系を構築し、長連合回路の形成における役割を解析することを目的としている。これまでに、DNAマイクロアレイ解析とin situハイブリダイゼーション解析などを通じて、大脳皮質6b層(胎生期のSP層)の長連合ニューロンに発現する遺伝子として、ctgfとkcnab1を同定していた。これら2遺伝子の胎生期大脳皮質での発現をin situハイブリダイゼーションで調べたところ、kcnab1の方が早い時期から発現していることが分かったので、kcnab1遺伝子のプロモータを用いてSP長連合ニューロン除去マウスの作製を進めている。このマウスにおいて2/3層および5層の長連合ニューロンの投射がどのような影響を受けるか解析するためには、これらのニューロンおよびその軸索を標識する必要がある。そのためのプロモータとして上記DNAマイクロアレイ解析で得られた候補遺伝子のプロモータの解析を進めているが、並行して、既知の層特異的遺伝子の中で長連合ニューロンに発現するものを探索した。その結果、2-5a層の交連ニューロン(左右大脳半球をつなぐニューロン)に発現するplxnd1遺伝子がS1と同側のM1を結ぶニューロンにも発現することが明らかになった。Plxnd1の転写開始点上流約10kbの領域にCreをつないだplxnd1-Creのコンストラクトを作製し、pCALNL-GFPと共に子宮内電気穿孔法でE15の野生型マウス胎児大脳皮質に導入、P21で解析したところ、S1から同側のM1および対側のS1に投射する軸索が標識されていた。SP長連合ニューロン除去マウスを用いて、軸索投射に与える影響を解析する実験系が確立できた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci Rep
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10.1093/cercor/bhs123
http://www.anat2.med.osaka-u.ac.jp/index.html