研究領域 | 神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築 |
研究課題/領域番号 |
25123713
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
萬代 研二 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50322186)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2014年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2013年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | Linx / 内包 / 大脳新皮質 / 神経投射 / 分子神経生物学 |
研究実績の概要 |
大脳新皮質は神経系の中枢として機能し、そこでは、大脳新皮質と新皮質下の脳組織、大脳新皮質と末梢、大脳新皮質間を連絡する3種類の投射線維が発達している。中でも内包は大脳新皮質と新皮質下の脳組織、ならびに大脳新皮質と末梢を連絡する脳内で最も太い神経束である。内包の形成機構として、主として皮質-皮質下投射線維と視床-皮質投射線維が相互作用してお互いの軸索をガイドすることによって形成されるという説が提唱されている(handshake hypothesis; Molnár and Blakemore, 1995)。しかし、その物質的基盤は十分には明らかにされていない。私どもは、神経回路形成に関わる分子のスクリーニングを行ない、受容体型チロシンキナーゼに結合して後根神経節感覚神経と脊髄運動神経の軸索の伸長、分枝、ガイダンスを制御する膜貫通タンパク質Linxを見出していた。Linxは、発生期の前脳では大脳新皮質、腹側視床、外側神経節隆起などに高度に発現していたが、視床には発現が認められなかった。一方、Linx欠損マウスは内包が完全に欠損していた。Emx1-Creによる大脳新皮質に特異的な条件付きLinx欠損マウス、ならびに、Dlx5/6-Creによる腹側視床と外側神経節隆起に特異的な条件付きLinx欠損マウスのいずれにおいても内包の形成が障害され、皮質-脊髄路が完全に欠損していた。一方、Linxリコンビナントタンパク質は視床-皮質投射線維に物理的に結合し、分散培養した視床神経細胞の軸索を伸長させた。以上より、1)腹側前脳と大脳新皮質に発現するLinxは、視床-皮質投射線維に結合してその軸索の伸長を促進するとともにガイドすること、2)皮質-皮質下投射線維と視床-皮質投射線維は、Linxを介して相互作用し、それぞれの線維を標的まで互いにガイドして内包を形成することを明らかにした。このようにLinxは内包の形成におけるhandshake hypothesisを説明する物質的基盤の有力な候補と考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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