公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
有尾両生類のイモリは極めて高い再生能力を持つ。その再生能力を支える原理を解明して、ヒトやマウスにフィードバックする意義は非常に高い。本研究では、これまで広く用いられてきた日本産のアカハライモリや米国産のブチイモリに代わり、大量繁殖が可能なスペイン原産のイベリアトゲイモリを導入することで、再生機構を解明するための遺伝子操作を駆使した実験系を樹立・整備すること、その実験系を用いて心臓再生の開始機序を明らかにすること、さらにはイモリで明らかにした心臓再生の開始機構がマウスではどのように機能しているかを示すことを目的に研究を行った。当該年度はイモリとマウスの心臓再生能の違いが生じる原因を明らかにするために、両者の心臓損傷後における細胞周期の制御因子の発現量の変化について比較解析を行った。また、イモリの心臓再生過程にみられる細胞増殖の詳細なパターンを調べることで、これまでの考え方とは異なる様式で再生が起こることを示した。次に、より高度な遺伝子破壊実験系を可能とするために、TALENを介したゲノム編集によるコンディショナルノックアウトイモリの作製を行った。これにより、イモリゲノムの目的とする領域に対してコンディショナルノックアウトに必要なloxP配列を挿入できることが示された。本課題の研究成果をもとに、本領域の研究者である横山 仁、森下 善弘、 及び亀井 保博らと共同で原著論文(査読あり)を発表した。日本語総説(査読なし)2報と著書(一部)を2冊執筆した。このほか共同研究を含め11件以上の学会・研究会における研究発表を行った。うち6件は招待講演の演者をつとめた。さらに、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)で行われた国際トレーニングコースにおいて講師を務め、本研究において確立したイベリアトゲイモリの実験系を紹介した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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実験医学
巻: 印刷中
生体の科学
Dev. Growth Differ.
巻: 57 号: 9 ページ: 601-613
10.1111/dgd.12241
Development, Growth and Differentiation
巻: 56 号: 1 ページ: 115-121
10.1111/dgd.12103
Mech Dev.
巻: 130 号: 11-12 ページ: 519-31
10.1016/j.mod.2013.07.002