公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本申請課題は、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の発生過程で再生能力が失われていく原因を明らかにし、普遍的な再生原理を解き明かすことが狙いである。トランスジェニック技術やゲノム編集技術といった遺伝子改変技術を用いて、個体レベルの再生研究を行った。1)高活性型TALENを用いることにより、偽四倍体で機能重複したパラログを多数持つアフリカツメガエルでも、複数遺伝子の同時破壊(KO)とF1での機能解析が可能ことを示した。また、新規の汎用性高い遺伝子挿入(KI)技術を開発し、内在性遺伝子にGFPタグを付加したり、エンハンサー・プロモータートラップに成功した。2)この技術を用いて、器官発生及び再生に関与すると思われるクロマチン関連遺伝子のKOを行ったが、その再生への関与は確認できなかった。3)器官再生中のエピジェネティクスの変動をin vivoで可視化するための分子プローブを導入したトランスジェニックガエルの作製にも成功し、器官再生初期にヒストン修飾が変動することを発見した。また、再生時におけるエピジェネティクス修飾を変化させるため、ヒストンアセチル化に関する阻害剤及び誘導剤などを試し、再生能力の影響を解析したが、明確な結果は得られなかった。4)両生類の再生能力低下は、メタモルフォーゼの進行と深い相関が見られる。この現象を解析するため、トランスジェニックツメガエルを用いて、人為的に甲状腺ホルモンシグナリングを誘導した結果、急速に尾の再生能力が低下する事実が明らかになった。5)神経を可視化するトランスジェニックツメガエルを用いて、四肢再生における神経の走行を解析した。最終年度は、2)~5)を中心に行った。本研究で得られた結果は、今後、両生類における再生研究に重要なツールや知見になることが期待される。今後は、得られた知見や成果を論文化する予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)
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