公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
昨年度の試行錯誤の上に、今年度も独自の装置・手法の開発を試み、プロジェクト1のカイメン外側上皮の蛍光ラベル法、プロジェクト3の立った骨片を人工的に揺らす装置の開発に成功した。外側上皮の蛍光ラベルはDiI溶液をカイメン表面にごく短時間触れさせる工夫で約25%の確率で側面からの観察可能な上皮の部分的な染色が出来る。そこで基礎生物学研究所の野中研究室との共同研究により光シート型顕微鏡での撮影を試み、1サンプルの体の一部について、初めて上皮が可視化された状態での骨片骨格形成を4次元的な映像を得る事に成功した。インターバル中にランダムに大量の不要な撮影がされててしまうため不要な画像を除くためのマクロの工夫、約12時間の撮影の画像データの合計がおよそ100Gバイトという大容量のデータを扱える環境の整備、画像を4次元画像処理ソフトで扱える様に変換する等行い、この1サンプルに関しての解析を行った。N=2ながら、骨片が立つ際に外側上皮の局所的な収縮は観察されず、骨片を立てる力は別の組織・細胞が出していると考えられる。加えて芽球からの個体形成の非常に早い発生段階から、予想以上に多数の骨片が外側上皮のさらに内側にある体内空間を被う上皮(仮称encm)上を運ばれており、これまでの解析と合わせ、骨片運搬細胞は体内空間を被うencmと基底上皮からなる袋状の体内空間を包む上皮の上を、ストカスティックに骨片を運んでいると考えるに至った。これらの成果は骨格形成機構の理解を大きく進めた。立った骨片を人工的に揺らす装置の開発は、本領域の公募班である名古屋大学の谷本昌志博士が開発されたゼブラフィッシュの耳石を揺らすピエゾを用いた装置の応用を助言くださり、微細に研いだタングステン針を装着した同様の装置を確立、立った骨片を3時間ほど揺らすことに成功、まだ検討課題が複数あるものの、解析への基礎が構築出来た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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