公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
胚や成長点における「体内時計」の振舞いは、発生学における未解決課題の一つである。本研究では、無限成長する植物の根の成長点に着目し、この問題の解決に挑戦することを目的とした。興味深いことに、根の成長点で体内時計が強くリセットされており、それによって根全体が脱同期している。しかもその脱同期パターンと根の形態形成には明確な関係がある。本研究では、一般に有害とされる「体内時計の脱同期現象」を取り上げることで、生物における秩序形成の新たな基本法則を探ることとした。具体的な研究内容として、植物の根における2階層の脱同期パターンに着目し、遺伝子組換えシロイヌナズナCCA1::LUCを用いた実験と、位相振動子モデルなどを用いた理論研究の双方から、「体内時計の脱同期パターンの物理的特性の解明」と「脱同期パターンの生理機能の解明」を行った。本研究では、以下4つを実施した。①温度パルスを用いたシンギュラリティ人工生成システムの構築として、温度パルスに対する位相応答を利用した空間周期的に複数のシンギュラリティを生成する実験システムの構築を行った。②「人工生成シンギュラリティ」と「成長点の人為発生」の観察として、1)LUC発光計測によって人工生成シンギュラリティの観察、2)「シンギュラリティによる成長点の誘起」に関する統計データを取得を行った。③遺伝子発現解析による「成長点」「シンギュラリティ点」の特異状態の解明として、1)極微量サンプルの取得技術の確立、2)極微量サンプルの遺伝子発現解析を実施(遺伝子発現の受託サービス利用)を行った。④数理モデルへの反映として、1)「シンギュラリティによる成長点の誘起」の機構を数理モデルで記述し、2)数値シミュレーションによって、パラメータ空間における相図を作成した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 備考 (2件)
Journal of Biological Rhythms
巻: 30 ページ: 95-103
http://www.bioproduction-opu.info/
http://www.me.osakafu-u.ac.jp/bioproduction/