配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2014年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2013年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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研究実績の概要 |
ハマカンゾウ(Hemerocallis fulva L.)は朝開花し、夕方に閉花する昼咲き種で、昼行性のアゲハチョウ類に送粉され、赤色を帯びたオレンジ色、香りなしという特徴がある。一方、キスゲ(H. citrina Baroni)は夕方に開花し、翌朝に閉花する夜咲き種で、夜行性のスズメガ類に送粉され、薄い黄色、強く甘い香りという特徴である。 次世代シーケンサーHiSeq2000(Illumina)を用いたRNA-seqによって、花弁組織で発現している遺伝子群を比較し、ハマカンゾウとキスゲの花形質の違いに関与するアントシアニン色素合成経路、カロテノイド色素合成経路や花香成分の合成経路の候補遺伝子を得た。特に、ハマカンゾウにおいて発現が高い遺伝子群の中に、アントシアニン色素合成経路の酵素遺伝子Chs, F3’h (又は F3'5'h ), Dfr, Ans, 3gt, Rt, Gstと、R2R3MYB familyの転写因子であるAnthocyanin 2様遺伝子を同定した。この遺伝子について、ゲノムDNA上の塩基配列を決定した結果、キスゲでは配列長が約4.7kbで、ハマカンゾウの約2.2kbpに比べて2倍以上あり、イントロン領域に長い挿入があった。 さらに、F2雑種において、発現量解析を行ったところ、Chs, F3’h (又は F3'5'h ), Dfr, 3gtとAnthocyanin 2様遺伝子はアントシアニン色素量と相間があった。また、発現量について遺伝子間の総当たりの相間を解析すると、Chs, F3’h (又は F3'5'h ), Dfr, 3gtとAnthocyanin 2様遺伝子の相間が高かった。よって、酵素遺伝子の発現が、転写因子であるAnthocyanin 2様遺伝子によって制御されることが示唆された。
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