公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成25年度は、我々が開発したERAP1-PHB2阻害ペプチド(ERAP)の機能を解析・証明するため、当該ペプチド投与実験を行い(1)in vitroにおけるTAM耐性乳性癌細胞の増殖抑制(2)エストロゲン・タモキシフェン処理による非ゲノム的活性化経路(AKT/MAPKリン酸化)の抑制という重要な実験に成功した。この実験の成功を受け、既報のTAM耐性に関連するシグナル経路を同定するため、網羅的遺伝子発現解析・タンパク質発現解析を行い、経時的な発現変動を認める分子群および経路の抽出作業までを完了させた。また実験と平行し、具体的な治療効果との相関解析・診断マーカー開発に着手するために必須となる乳癌臨床検体収集に尽力した結果、各機関から協力を得て累計156体もの検体収集に成功しており、臨床機関からの本研究への期待の高さがうかがえる。平成26年度は、既報のTAM耐性関連シグナル経路の同定のため、前年度までに行った網羅的遺伝子発現解析・タンパク質発現解析を通じて、既知のE2応答遺伝子やER標的遺伝子に加えて、これまでに報告ない数多くの遺伝子・タンパクの発現の抑制を見いだした。このことは、PHB2の抑制機能を誘導できるERAP投与は既知のE2シグナル経路に加え、未知のE2シグナル経路も抑制することがわかり、ER陽性乳癌、特に内分泌療法耐性乳癌への効果が期待できることが示唆された。我々が同定したERAPは、あらゆるER陽性乳癌のE2依存性細胞増殖を完全に抑制することから、このERAPによるER細胞増殖シグナルの抑制機構をシステムバイオロジー解析にて包括的に調べることで、これまでのER陽性乳癌の治療効果や耐性機構に対して新たな知見を提供することができると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件)
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